アポ獲得代行の比較検討で最初に見るのは、たいてい料金表です。しかし料金表に並ぶ「1アポ○円」は、何をアポと呼ぶかが会社ごとに違うため、そのままでは比較できません。同じ3万円でも、来ない商談を含む3万円と、実施された商談だけの3万円では、実質の単価が倍以上変わります。

ここでは、見積を取る前に確認しておくと判断が早くなる7つの質問を挙げます。いずれも回答を渋る会社は、その部分にリスクが集まっていると考えて構いません。

1. 課金はどの時点で発生するか

最重要の論点です。課金タイミングには大きく2つあります。

課金タイミング意味空振りのリスクを負うのは
アポ確定ベース日程が決まった時点で課金発注側
商談実施ベース商談が実施されてから課金代行側

アポ確定ベースは、代行会社にとって「日程だけ取れば売上になる」構造です。悪意がなくてもこの構造では、確度の低い相手にも日程を入れる動機が働きます。業界でも、アポ確定ベースは質の低いアポが混入しやすいという指摘があり、商談実施ベースへ移る流れがあります。

なお、アポ確定ベースであっても「来なかった分は課金しない」保証が明文化されていれば実質は同じです。名前ではなく、条文でどう書かれているかを確認してください。

2. 「無効アポ」の定義はどう書かれているか

質の低いアポが来たときに揉めるかどうかは、契約前にこの定義があるかで決まります。定義に含めておきたいのは次のような類型です。

  • 相手が来なかった(無断欠席)
  • 担当部署・決裁の圏外だった
  • そもそも話が通っていなかった(何の話か理解していない)
  • 提示された会社名・担当者名が実在しない、連絡が取れない
  • 同一企業の重複

そして誰が判定するのか、判定期限は何日か、無効だった場合は無償化か再提供かまで書かれているかを見ます。ここが空白の契約は、実質的に「代行会社の言い値」になります。

3. リストは誰が作り、出所を開示できるか

リストの出所は、法的なリスクと成果の両方に直結します。確認するのは次の3点です。

確認点望ましい回答
リスト作成は含まれるか含まれる/別料金が明示されている
出所はどこか公開情報(自社サイト・求人票など)/購入名簿なら販売元名が言える
アドレスが公開されていた実URLを記録しているか記録している

3つ目は地味ですが重要です。特定電子メール法で同意なしに送れるのは「自らアドレスを公表している団体・営業を営む個人」に限られます(同法3条1項4号)。公表されていた実URLの記録は、その根拠そのものです。記録していない会社は、根拠を示せないまま送っていることになります。

4. 送信ドメインはどう分けるか

営業メールを自社の本業ドメインから撃つと、迷惑メール報告が積み上がった時点で顧客対応メールや請求書メールまで届かなくなります。この事故は事業全体に波及するため、確認は必須です。

聞くべきことは1つ、「送信に使うドメインは何か」。専用ドメインを使うと答えるなら、次に「新しいドメインのウォームアップはどう扱うか」を聞きます。初月から数千通を送れると即答する会社は、この工程を軽視しています。

5. 立ち上がりに何日かかるか

メール配信は初日から全開にはできません。新しい送信ドメインは評判がゼロの状態から始まるため、送信量を段階的に増やす期間が要ります。

時期1日の送信量の目安状態
1週目数十通ウォームアップ開始
2週目数百通反応を見て増やす
3〜4週目1,000通超安定してから本格化

つまり契約してすぐ大量のアポが出る想定は現実的ではありません。フォーム営業を併用すると初日から接触を始められるため、立ち上がりの谷を埋める手段として有効です。

6. 商談の前に、こちらは何を受け取れるか

多くの代行サービスで渡されるのは、会社名・担当者名・日時だけです。この情報量では、商談は「はじめまして、御社は何をされていますか」から始まります。

確認したいのは、商談前に相手の状況が渡されるかです。具体的には次の4点が揃っていると、初回商談の中身が変わります。

  • いま困っていること(課題)
  • いつまでに何とかしたいのか(検討時期)
  • 予算の感覚があるか
  • 決めるのは誰か(決裁体制)

これは商談当日ではなく前日までに取っておく必要があります。当日聞くなら、それは自社でやるのと同じです。

7. 日程が変わったとき、誰が調整するか

リスケジュールは必ず発生します。ここを発注側が引き取る契約だと、アポが増えるほど自社の調整工数が増え、外注した意味が薄れます。

「再調整も代行側で行う」と明記されているか、そして再調整したアポを二重に課金しないと書かれているかを確認してください。

比較表は自分で作り直す

各社の提案が出揃ったら、料金表をそのまま並べるのではなく、次の列で作り直すと差が見えます。

なぜ必要か
課金タイミング実質単価が変わる
無効アポの定義と扱い揉めるかどうかが決まる
リストの出所法的リスクと成果に直結
送信ドメインの分離本業のメールを守れるか
初アポまでの日数計画が立つか
商談前に渡される情報受注率が変わる
再調整の担当と二重課金自社工数が増えないか
支払期日資金繰りに影響

この8列を埋めれば、単価の安さで選んで後悔する確率はかなり下がります。埋められない列がある会社は、その列にリスクが隠れています。

出典