アポ獲得代行を検討すると、まず価格の幅に戸惑います。1件1万円の会社もあれば、3万円を超える会社もある。同じ「アポ1件」なのに、なぜここまで違うのか。

結論から言えば、価格差の正体は「アポの定義の違い」です。単価だけを並べて比べると、判断を誤ります。

相場の全体像

公開されている情報を整理すると、おおむね次のレンジに収まります。

サービス1件あたりの目安備考
テレアポ代行約1万円〜電話でのアポ獲得。コール課金の場合もある
アポイント獲得約2万円前後難易度が高い商材では3万円以上
商談代行約1万5千円〜商談の実施まで含む

加えて、固定報酬型(月額)の場合は月25万円〜60万円程度が一般的なレンジです。成果が出ても出なくても費用が発生するため、量が読めない段階では成果報酬型のほうがリスクは小さくなります。

なぜ2倍以上の差が生まれるのか

1. ターゲットの狭さ

最も大きな要因です。「全業種の中小企業」と「特定業界の従業員100名以上、かつ情報システム部門の責任者」では、母数が桁で違います。母数が小さいほど、1件のアポを作るために必要な接触数が跳ね上がります。

単価が高い会社が「ぼったくり」なのではなく、難しい相手を取りにいっているから高いというケースは普通にあります。逆に、単価の安さを打ち出す会社が広く浅く当てている場合、届いたアポが自社のターゲットとずれる確率は上がります。

2. 誰に会えるのか

「担当者に会える」と「決裁に関われる人に会える」では、商談の価値がまるで違います。ここを明示していない見積もりは、比較の土俵に乗りません。

3. 課金タイミング ― ここが一番効きます

報酬が発生するタイミングは大きく3つに分かれます。

課金タイミング請求されるとき空振りリスク
アポ確定ベース日時が確定した時点発注側
商談実施ベース商談の実施を確認した時点受注側
成約ベース契約に至った時点受注側

最も多いのはアポ確定ベースです。そして業界の解説でも、アポ確定ベースは「当日キャンセルや質の低いアポが混入しやすい」と指摘されています。BtoB領域では質の担保という観点から、商談実施ベースが増加傾向にあります。

比べるべきは「実質単価」

単価が安く見えても、空振りが混ざれば実際の負担は変わります。

条件A社B社
提示単価20,000円39,000円
アポ数10件10件
うち空アポ3件0件(課金対象外)
支払額200,000円390,000円
実際に商談できた数7件10件
商談1件あたりの実質単価約28,600円39,000円

この例ではA社のほうが実質単価は安く出ます。ただし表に現れない費用があります。空振り3件ぶんの準備時間と移動時間です。営業担当の時給を仮に5,000円、1件あたり2時間(準備・移動・待機)とすれば3万円。ここを足すと差はほぼ消えます。

言いたいのは「高いほうが得」ではありません。提示単価だけでは判断できないということです。空アポ率が分からないまま単価を比べるのは、分子だけを見て分数を比較しているのと同じです。

見積もりで確認すべき5項目

  • 課金タイミング ― アポ確定ベースか、商談実施ベースか
  • 空アポの定義が契約書にあるか ― 口頭の「対応します」ではなく条文で
  • 判断が割れたとき誰が決めるか ― 発注側の申告を優先するか
  • 初期費用と最低契約期間 ― 成果報酬と謳いつつ初期費用が乗る場合がある
  • 立ち上がりまでの期間 ― メール配信を使う場合、ドメインのウォームアップに1か月前後かかるのが普通です

まとめ

  • アポ獲得の相場は1件1万円台〜3万円台。難易度が高いほど上がる
  • 価格差の正体はターゲットの狭さ・到達する役職・課金タイミング
  • アポ確定ベースは空振りリスクを発注側が負う。BtoBでは商談実施ベースが増加傾向
  • 比べるべきは提示単価ではなく商談1件あたりの実質単価(空振りの時間費用も含めて)
参考