テレアポ代行の見積は、料金体系が違うと単純比較ができません。「1件○円」と「1コール○円」と「月額○円」は、リスクを負う側がそれぞれ違うためです。ここでは3つの体系を整理し、どの場面でどれを選ぶかを示します。
3つの料金体系
| 体系 | 課金の単位 | 保証されるもの | リスクを負うのは |
|---|---|---|---|
| コール課金型 | 架電1件ごと | 架電数 | 発注側 |
| 成果課金型 | アポ1件ごと | アポ数(定義次第) | 代行側 |
| 常駐・固定型 | 月額(人員単位) | 稼働時間 | 発注側 |
重要なのは「保証されるもの」の列です。コール課金型で保証されるのは架電数であって、アポ数ではありません。リストやトークが合っていなければ、コール数だけが積み上がります。
コール課金型が向く場面
1コールあたりで課金する形です。数百円台から、難易度により変動します。
| 向く | 向かない |
|---|---|
| 既存顧客・休眠顧客への掘り起こし | 完全に知らない相手への新規開拓 |
| 反応率がすでに読めている | 初めての商材で読めない |
| アンケートや案内など、アポ以外が目的 | アポ数を確保したい |
掘り起こしに向くのは、相手が自社を知っている状態なら通過率が読めるからです。逆に新規開拓では通過率が読めず、コール数を消費して終わるリスクがあります。
成果課金型で見るべきは単価ではない
アポ1件ごとに課金する形です。取れなければ払わないため一見安全ですが、確認すべきは単価より定義です。
| 定義 | 10件中3件が空振りのとき | 実質単価(@3万円) |
|---|---|---|
| 日程が決まれば課金 | 10件ぶん支払う | 約4.3万円 |
| 来なかった分は課金しない | 7件ぶん支払う | 3万円 |
差は43%です。単価を1割値切る交渉より、この1行を変えるほうが効きます。
また成果課金型には構造的な副作用があります。件数が売上になるため、確度の低い相手にも日程を入れる動機が働きます。契約側で無効アポの定義(欠席・部署違い・話が通っていない・重複)と判定手続きを決めておくのが対策です。
常駐・固定型が合理的な場面
月額で人員を確保する形です。件数課金ではないため、次の場面で機能します。
- アポが出にくい商材で、成果課金では受けてもらえない
- 件数以外の成果物が必要(リスト整備、トークの検証、記録の蓄積)
- 件数を追わせたくない(質を優先したい)
ただし成果がゼロでも満額の支払いが発生します。件数が読めていない段階で選ぶと、1件あたりの実質単価が跳ね上がります。
メールとテレアポ、どちらを先にやるか
電話は到達が確実な一方、通過率が低いという特徴があります。完全に知らない会社からの電話は、受付で止まる確率が高くなります。
そこで実務的には順序をつけると効率が上がります。
| 順序 | やること | 狙い |
|---|---|---|
| 1 | メールまたはフォームで接触 | 社名と用件を認知させる |
| 2 | 反応があった相手に電話 | 関心のある相手だけに人手を割く |
| 3 | 日程確定後、前日に確認の電話 | 離脱を防ぎ、状況を聞き出す |
3つ目が見落とされやすい使い方です。アポ獲得のための電話ではなく、取れたアポを守るための電話です。前日に接触していれば「話が通っていなかった」「予定を忘れていた」はほぼ起きません。加えて課題・検討時期・予算感・決裁体制を聞いておけば、商談の入口が変わります。
選ぶときの確認項目
| 確認すること | 望ましい状態 |
|---|---|
| リストは誰が用意するか | 含まれる場合は出所を開示できる |
| トークスクリプトは誰が作るか | 代行側が作り、発注側が承認する |
| 通話の記録は共有されるか | 通話メモ、または録音が共有される |
| アポの質が低いときの扱い | 無効アポの定義と処理が契約書にある |
| 架電の時間帯 | 相手の業種に合った時間帯を選べる |
| 再調整の担当 | 代行側が行い、二重課金しない |
3つ目が改善の分かれ目です。断られた理由が記録として返ってこなければ、トークもリストも直せません。件数の報告だけが上がってくる運用は、うまくいっていないときに手が打てません。
まとめ
- コール課金型は架電数の保証でアポ数の保証ではない。掘り起こしに向き、新規開拓では読めない
- 成果課金型は単価より成果の定義。空振りを誰が被るかで実質単価が4割変わる
- 常駐型は質を優先したい場面に合うが、件数が読めない段階では実質単価が跳ねる
- 電話は「アポを取る」だけでなく「取れたアポを守る」用途で効く(前日の確認)
- 通話記録が共有される契約にする。記録がないと改善できない