商談のドタキャンは、営業側の努力不足で起きるとは限りません。相手の予定が動いた、社内で優先度が下がった、そもそも忘れていた ― 大半は悪意のない事故です。事故なら、仕組みで減らせます。
欠席が起きる5つの原因
| 原因 | 起きる理由 | 前日の接触で防げるか |
|---|---|---|
| 忘れていた | 確定から日数が空いた | 防げる |
| 他の予定が入った | 優先度が上がる予定に上書きされた | 防げる(引き直せる) |
| 何の話か分かっていなかった | 日程だけ承諾していた | 防げる |
| 担当が違った | 窓口に当たっただけだった | 防げる |
| 当日の急な事情 | トラブル対応・体調 | 防げない(再設定で対応) |
5つのうち4つは、前日に一度接触すれば当日より前に判明します。当日に分かると枠が失われますが、前日なら日程を引き直せます。
確定から商談までの期間が効く
確定した瞬間が最も熱い状態で、そこから時間が経つほど関心は薄れます。一方で短すぎると前日の確認ができません。
| 確定から商談まで | 熱の残り方 | 前日確認 | 評価 |
|---|---|---|---|
| 当日・翌朝 | 高い | できない | ✗ |
| 2〜5日後 | 残っている | できる | ◎ |
| 1〜2週間後 | 薄れる | できる | △(前日確認が必須) |
| 3週間以上 | かなり薄れる | できる | ✗(別日提案を検討) |
したがって予約枠の出し方には設計が必要です。24時間より先、かつ2週間以内の枠を提示するのが、両立する範囲になります。
リマインドの設計
回数を増やせば減るというものではありません。基本は2回です。
| タイミング | 手段 | 内容 |
|---|---|---|
| 確定直後 | メール(+カレンダー登録) | 日時・接続方法・所要時間・当日の流れ・変更リンク |
| 前日 | 電話(不通ならメール) | 日時確認・出席者・聞きたいこと |
確定直後のメールでカレンダーに登録できる形(.icsファイルや追加リンク)を渡しておくと、忘れの多くが消えます。相手のカレンダーに入っていれば、他の予定と衝突した時点で相手が気づきます。
そして前日は、可能なら電話です。メールのリマインドは開かれないことがありますが、電話は出れば確実に伝わり、同時に状況も聞けます。
変更しやすくすることが欠席を減らす
直感に反しますが、キャンセル・変更を簡単にしたほうが欠席は減ります。
理由は単純です。変更が面倒だと、都合が悪くなった相手は「連絡しないまま欠席」を選びます。ワンクリックで日程を変更できれば、同じ相手が「別日に変更」を選びます。前者は失われた1件、後者は生きている1件です。
| 変更のしやすさ | 都合が悪くなった相手の行動 |
|---|---|
| メールで往復が必要 | 連絡せず欠席 |
| リンク1つで再選択できる | 別日を選ぶ |
したがって確定メールには、必ず変更・取消のリンクを入れます。取り消された枠はすぐ他の相手に開放できるので、運用上の損失もありません。
欠席しやすいアポを確定時点で見分ける
すべてのアポが同じリスクではありません。次の特徴があるアポは、欠席率が高くなります。
- 前日に連絡が取れなかった
- 確定から商談までが2週間以上空いている
- 相手の関心が「とりあえず聞いてみる」程度
- 担当部署・決裁の位置が曖昧
- 返信のやり取りが1往復しかない
該当するアポには、前日の接触を厚くする、代替の枠を確保しておくといった手を打てます。全部に同じ工数をかけるより効率的です。
欠席された後の追い方
欠席は失注ではありません。多くは予定の衝突です。追い方を決めておきます。
| タイミング | 内容 | 避けること |
|---|---|---|
| 当日 | 「お忙しいところ恐れ入ります。別日でいかがでしょうか」+日程リンク | 責める文言 |
| 翌営業日 | 反応がなければ1回だけ再送 | 連続の追撃 |
| それ以降 | 反応がなければ一旦置く | 催促を重ねる |
文面で最も大事なのは相手を責めないことです。「ご連絡もなく」といった一言が入るだけで再設定率は落ちます。事故として扱い、次の枠を提示するだけにします。
まとめ
- 欠席の原因5つのうち4つは前日の接触で当日より前に判明する
- 予約枠は「24時間より先、2週間以内」。当日予約は前日確認ができず、遠い予約は熱が冷める
- リマインドは確定直後と前日の2回。確定直後はカレンダーに入る形で渡す
- 変更しやすくすると欠席が減る。面倒だと「連絡せず欠席」が選ばれる
- 欠席は失注ではない。責めずに別日を提示すれば一定割合が再設定できる