バウンス率は、送信元の評判を決める2つの数字のうちの1つです(もう1つは苦情率)。ここが高いと、文面がどれだけ良くても届かなくなります。しかも厄介なのは、バウンスの管理を怠っても短期的には何も起きないことです。気づくのは、届かなくなってからです。
2種類のバウンス
| 種類 | 原因 | 再送 | 扱い |
|---|---|---|---|
| ハードバウンス | 宛先が存在しない、ドメインが存在しない、受信を恒久的に拒否 | 絶対にしない | 即座に恒久除外 |
| ソフトバウンス | 受信箱の容量超過、一時的なサーバー障害、一時的な制限 | 数回まで可 | 回数を数えて判断 |
区別が重要なのは、ハードバウンスへの再送が最も評判を落とす行為だからです。存在しないアドレスに繰り返し送る送信者は、リストを管理していない=迷惑メール送信者の特徴と一致します。
閾値の目安
| バウンス率 | 状態 | やること |
|---|---|---|
| 1%未満 | 良好 | そのまま継続 |
| 1〜5% | 注意 | リストの出所を確認する |
| 5〜10% | 警告 | 送信量を落とし、リストを見直す |
| 10%以上 | 危険 | 配信を止める |
ただし率だけで見ると誤ります。母数が小さいうちは1件で率が跳ねます。20通送って1件バウンスすれば5%です。この段階で「警告水準」と判断するのは早すぎます。
実務では次のように併用します。
- 母数が一定件数(たとえば100通)に達するまでは率で判断しない
- 件数でも見る(1日に何件バウンスしたか)
- 同じドメイン(例:ある企業のドメイン)に集中していないか見る
バウンスが多い原因はほぼリストの鮮度
| 原因 | 起きること | 対策 |
|---|---|---|
| リストが古い | 担当者の退職・組織変更でアドレスが消えている | 取得日を記録し、古いものは再検証 |
| アドレスを推測で作っている | 存在しないアドレスが大量に混ざる | 推測で作らない |
| ドメインごと廃止されている | 会社の統合・廃業 | MXレコードを事前に確認 |
| 表記の誤り | スペース混入、全角文字、タイプミス | 形式の検証をかける |
2つ目は特に危険です。「この会社なら info@ドメイン があるはずだ」と機械的に作ったアドレスは、存在しない確率が高いうえに、公開されていたアドレスではないため法的な根拠も失います。特定電子メール法で同意なしに送れるのは、自ら公表しているアドレスに対してです。
送る前に減らす
バウンスは送ってから対処するより、送る前に減らすほうが安全です。
| 段階 | 確認すること | コスト |
|---|---|---|
| 形式の検証 | @の数、使用できない文字、スペース、全角 | ほぼゼロ |
| MXレコードの確認 | そのドメインがメールを受け取れる設定か | 低い |
| 取得日の管理 | いつ収集したアドレスか。古いものは再確認 | 運用の手間 |
| 重複の統合 | 同じ会社・同じアドレスが複数行にないか | 低い |
MXレコードの確認は費用がほぼかからず効果が大きい工程です。ドメインごと消えている宛先を事前に落とせます。ただしMXがあってもそのアドレスが存在するとは限らないため、これで全部は防げません。
バウンスの記録は横断で一元管理する
ハードバウンスしたアドレスは、案件やクライアントをまたいだ1つの除外リストに入れます。
理由は単純で、リストは案件ごとに作られるからです。A社の案件で「存在しない」と判明したアドレスが、B社の案件のリストにも入っていることは普通に起きます。除外リストが案件ごとに分かれていると、同じ存在しないアドレスに何度も送り続けます。
| 除外リストの単位 | 結果 |
|---|---|
| 案件ごと | 別案件で同じアドレスに再送してしまう |
| 全案件横断 | 一度判明したら以後どこからも送らない |
ソフトバウンスの数え方
ソフトバウンスは一時的な失敗なので再送してよいのですが、無制限ではありません。実務的な扱いは次のとおりです。
- 1回目:時間を置いて再送(当日〜翌日)
- 2回目:さらに間隔を空けて再送
- 3回目:ハードバウンス相当として扱い、除外する
回数のカウントはアドレス単位で持ちます。メール1通ごとに数えると、同じアドレスへの失敗が積み上がっていることに気づけません。
まとめ
- ハードバウンスは即座に恒久除外。再送が最も評判を落とす
- ソフトバウンスは3回程度を上限とし、超えたらハード相当として扱う
- 警告5%・危険10%が目安。ただし母数が小さいうちは率で判断しない
- 原因のほとんどはリストの鮮度。アドレスを推測で作らない
- 形式検証とMXレコードの確認で、送る前に減らせる
- 除外リストは案件横断で1つにする